風車のあるところへ

マルシュルートカはどんどん進んでいく。
先週末も同じ道を通っていたことを思い出した。

大通りをそれ、両側に背の高い木々が生い茂った道を走っているとき、急にバスの後ろの席から男性の怒ったような声が聞こえた。
どうやら、運転手は目的地を素通りしていたようだ。
その男性に続いて僕たちもバスを降りる。
「風車公園」までは歩いて行かなければならない。
アルトゥールが気にしていたのは、バスの運転手のうっかりではなく、怒っていた男性の方だった。
彼の言葉づかいは非常に乱暴で、これもソ連時代の負の遺産なのだという。
誰も丁寧な言葉遣いをしないらしい。

お目当ての施設は、17:00までに行かないと入場券を買うことができなくなるなる。
あと5分しかなかったので、少し走った。
ゲートの前に着いたとき、受付は閉まっていたが、アルトゥールが係員と交渉して開けてもらった。
ギリギリ間に合ったようだ。

この場所の名前が分からず申し訳ないが、ウクライナの伝統的な農村風景が再現された場所で、とてもいいところだった。
なだらかな丘陵地にぽつぽつと風車が建てられている。
これは麦を脱穀するために使われ、実りの時期には周囲が麦の穂で覆い尽くされていたことだろう。

余談だが、ウクライナは人口の割に土地が非常に多く、昔の農家は他の農家とは離れ離れになっていたらしい。
そのためウクライナが侵略された場合、みんなで協力して国を守るという概念がなく、簡単に占領されてしまったらしい。
しかし、ソ連の時代になると、団結しないと自分たちの文化を滅ぼされてしまうため、協力しあう文化が生まれたのである。
この傾向は現在まで続いているのだという。

こちらは伝統的なウクライナの家
と、家畜小屋。
藁葺屋根でどこかしら日本のものに似た趣がする。

木製の教会
とにかく広々として、開放的な気分になる。



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