これは好みが分かれる

ルーダの作ってくれる食事は、1日のうちで大きな楽しみの1つだった。
アルトゥールがときどき冗談で、
「もしキィーヴにとどまらず、1人で旅行していたら、No Luda, No foodだ」
などと言っていた。

家に帰るといつものごとく空腹だった。
いつもどおりトマト、パプリカが並べられているなかに、
今晩は器に茹でたレバーが山盛りになっていた。
個々のレバーがひと口で食べきれないほど巨大だった。

アルトゥールはレバーが嫌いで、
「これだけは食べ物とは思えない」
とこぼしていた。

とりあえず1つ取って食べてみた。
不味くはないが、少し味気がなかった。
自分の好みで塩コショウを振らなければならない。

アルトゥールはやっとのことで、レバーをひとかたまり、僕は3つ平らげたが、器の中は半分減った程度でだった。

余ったレバーは翌朝レバーペーストになって再び出てきた。

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