特集:ウクライナ人が英語を使うときになりがちな癖

アルトゥールの実家にいたとき、ジョージの通う学校の教科書を見せてもらった。

ジョージは5歳だから日本でいう小学低学年だが、日本の僕が中学で英語を習い始めたくらいのレベルだった。
簡単な英文が書かれていて、ウクライナの教育レベルは高いとアルトゥールに言うと、彼はウクライナ人はアルファベットに慣れているから、日本人よりも英語を習いやすいのだと説明してくれた。
それにも関わらず英語が使えるウクライナ人が少ないのは問題だとも言っていた。

ウクライナ語は英語よりも発音も文法も複雑だと言われている。
だからウクライナ人にとっては英語は比較的マスターしやすい言語だといえるが、ウクライナ人ならではの悩みもあるようだ。

英語にはあってウクライナ語にはない音として"th"音がある。
これは日本語にもない音で、"the"をついつい"ザ"と発音してしまうやつである。
面白いのはウクライナ人は"r"音を巻き舌で発音するため、英語でも巻き舌になってしまうのだという。
だから英語を習い始めたウクライナの子供たちは"father"を"ファルザー"と発音してしまう。

ジョージが喋っているときも、ときどき「ルルルルル」と舌を鳴らす音が耳についた。
アルトゥールは小さいときに巻き舌ができなくて、巻き舌の練習を学校でしていたのだと。
正しいウクライナ語を喋るためには、巻き舌音は大事なのだろう。
僕はアルトゥールの部屋で巻き舌の練習を何度かしてみたが、うまくいかなかった。
舌を上歯の裏あたりに付け、「ルー」と発音しながら強く息を吐くとできるみたいなのだが。

ウクライナ語の文法が難しすぎるために、ウクライナ語をそのまま英語に訳すと、かなり複雑な文章になってしまうのだとか。
コンマが大量に打たれていて、見たらすぐにウクライナ人が書いた文章だと分かるらしい。

ところ違えど、外国語を習うときには何かしら困難があるようだ。
アルトゥールが「日本語はスペースがないのにどうやって単語を区別しているのか?」と聞いてきたことがあった。
僕は無意識に日本語を使いこなしていたが、外国人から見ると不思議なこともたくさんあるようだ。

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