ウクライナの中の日本

夕日が綺麗なオレンジ色に輝いているころ、アルトゥールは「キョート・パーク」に行こうと言い出した。
キョート・パークとは、キエフと京都との友好の証として作られた公園である。
日本人にはあまり知られていないが、ウクライナは日本に好意的である。
ウクライナでは現在空港が建設されているのだが、その資金提供を日本がしていたり、最近では東北大震災で亡くなった人を追悼するために、明かりのついた風船を飛ばすというセレモニーがウクライナで行われたということを聞いた。

キョート・パークはメトロの東の端、「リソヴァ」という駅にあった。
名がやっと駅名が読めるようになってきた。
「リソヴァ」に向かうまでの間に、メトロは地上を走り、ドニプロ川に架かる橋を渡って行った。

キョート・パークは駅から歩いてすぐのところにあった。
長い小道の両側に、とても背の高い松が立ち並ぶ。
松はウクライナでもよく見られ、とても背が高い。

しばらく歩くと、日本庭園のようなものがあり、付近には桜の苗木が植えられていた。
桜はウクライナにあるらしいのだが、日本のものより色が白いのだという。

松に囲まれ、石で囲まれた日本庭園風の池もある。

まるでウクライナの中の日本のようだと思った。

日本チックな池の周りにウクライナ人というのは、意外に絵になっていた。

僕らは公園の奥まで歩き、遊具の近くにあるベンチで休んだ。
平日にも関わらず、家族で過ごす人たちをたくさん見かけた。
幼稚園か小学校低学年くらいの男の子の兄弟が遊んでいるのを両親がベンチに座って眺めている。
見ていて温かい気分になる。
時刻は午後7時を回っていたが、ウクライナでは日が沈んでから暗くなるのが遅いらしく、ほんのり暗い程度である。
アルトゥールに聞いてみると、ウクライナでは仕事は9時から始まって夜6時に終わるのが普通なので、このように平日であっても家族団らんのときを過ごせるのである。

ウクライナ人は恋人や家族と過ごす時間を大切にしていてとてもいいと思った。
ベンチでカップルたちが静かに2人の時間を過ごしているのをよく見かけたりする。
ウクライナ人はゆっくりしているとアルトゥールに話すと、そんなことはないと言われた。
忙しいときもあるのかもしれないが、日本と比べると(また使ってしまった)ゆっくりしていると思う。
夜8時ぐらいの公園内の風景
明かりがつき始めた
日を追うごとにウクライナが好きになっていく。
家に帰り、晩ご飯は茹でたマカロニ、白パン、トマト、ハンバーグのようなものを美味しくいただいた。

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