紅のタラス・シェフチェンコ大学

アリーナと別れたあと、街中に探索に出かける。
今日はどこに連れて行ってくれるのだろう?

メトロに乗り、街を歩いて行くと、巨大な教会が建っていた。
ウクライナの主な宗教はウクライナ正教で、円形の屋根の上に十字架が飾られているのが特徴的である。
キエフ市内には多くこの種の教会を見かける。

建物の中に入ってみた。
とても静かで、薄暗く、厳かな雰囲気がした。
ろうそくの微かな光で、壁や天井にはキリストや、マリアの絵画が照らされていた。
アルトゥールは特別信心深い人間ではないが、教会を出るときには十字を切っていた。
日本人が仏の前で手を合わせるように、最低限の礼儀作法なのだろう。

次に歩いて向かったのは、タラス・シェフチェンコ大学。
ウクライナ最高峰の大学である。
ここを卒業した学生の多くは官僚となり、ウクライナの国政を担っていく。
ただ、現在ウクライナでは政治家の汚職が横行しており、アルトゥールは、将来の政治家を輩出していくこの大学にいい印象を持っていないようだ。

一時期、「美人すぎる首相」として日本でも話題になったユリア・ティモシェンコ前首相も、汚職の疑いで公判中である。

タラス・シェフチェンコ大学の向かいには、タラス・シェフチェンコ公園があり、シェフチェンコの像が建っている。
彼は有名な詩人だそうだが、詳しいことは知らない。
公園のベンチでひと休みする。
ウクライナの公園はとても広くて、至る所にベンチが置いてある。
他のベンチに座っている人たちの多くは学生だろうとアルトゥールは言ったが、僕にはやはりウクライナ人は大人びて見える。
アルトゥールは隣のおじいさんに話しかけられてから、ずっと話をしているので、周りの風景を眺めたり、写真を撮ったりした。

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